空間デザイナーのぶんぶんことナカザワフミ様の名刺を企画・制作させていただきました。
最終的にデザインのひきだし40に載っていた、ほっかいしこう社さんの「箱名刺」になりました!
目次
制作のきっかけ
もともとぶんぶんさんとは前田デザイン室というオンラインサロンで知り合ったお友達だったのですが、ある日メッセンジャーで「名刺のデザインお願いできる?」と声をかけてもらいました。
直接指名で、しかも仲良しの友達から依頼してもらえるのがめちゃくちゃ嬉しくてすぐ「やる!!」と返信しました。
大事な名刺のデザインを任せてもらえるということで緊張する面ももちろんありましたが、お互いよく知っている相手だし、もし何かあっても正直に相談できるだろうという安心感がありました。
Twitterで公開しながらのフィードバック
前述の前田デザイン室のオーナーでもある株式会社NASUの前田高志さんが、Twitter上でリアルタイムに公開しながらのプレゼンを何度かやっているのを見ていました。
制作過程をまる出しにするのは勇気がいるけど、考え方や完成に至るまでの変化がわかるのがすごく面白いし、何より良くも悪くも自分の実力が白日の元にさらされるので、変に甘えが出ないという意味でも良いなと思っていました。
名刺もこんなふうにやってみたらどうかな…とほんのり考えていたところ、当のぶんぶんさんから
「Twitterでやりとりしながらやってみる?」
と提案があったので、「ちょうど考えてた!やろう!!」と即決。初回提案からTwitterで公開していくことになったのでした。
一連の流れはこちらのツイートから繋がっているので、そちらからも見れます!
形から入ってしまったいきなりの脱線
ぶんぶんさんのホームページに行くと、素敵な蜂のイラストが目に入ります。
これが個人的にもめちゃくちゃ気に入っていた私、最初に会って話した時にいきなりイラストを生かす案を口頭で色々展開。
ぶんぶんさんはやさしいので、その場では特にコメントせず、後日やんわり「空間デザインがメインの仕事だと伝わるものがいいな」と伝えてくれました。
普段グッズデザインをすることが多いからか、つい変わった形になるものや、ギミックのあるものを考えてしまいがちな私。それももちろん楽しいけれど、本来の目的から再度考えることにしました。
最初の軌道修正(修正できたとはいってない)
見た目から入っていた案から、「空間デザインが生業だとわかる」方向で考えなおし、最初の提案。
今見ると、「空間デザインが生業だとわかる」という、肝心の部分のバリエーションが”実績の写真を載せる”という一つの方法しか考えられてないのがわかります。結局まだ形やギミックにこだわって、バリエーションを出すべき位置を間違えてますね。
D案のほっかいしこう社さんの箱名刺は、本に載っていたものをそのまま流用してしまっていたので「オマケ」として提案してしまっていました。ここも今思えば「自分オリジナルの案じゃないから」という無駄なプライドが出ています…!(笑)
そして選んでもらったのはそのD案でした。「組み立てて箱になる」というインパクトはとても好きだったので、この形を生かして再提案。
2回目の提案、そして迷走へ…
箱名刺の形を使って次の提案です。
ここでぶんぶんさんから「ほっかいさんの型から離れた案もあるかなあ?」とコメントが。
なるほど!と思った私、知識が足りないのでは…と思いなぜか突然の書籍購入。
ようやく(本当の)軌道修正
そして頼んだ本が届き、載っている形状で色々考えるものの、どうにもピンとくるものがなかったのです。
ここでようやく、「そもそもの名刺の目的」を一度整理しようと気づいた私。(とても遅い)
大好きな友達だけど、自分の大好き!を伝えるんじゃなくて、本人がしたいこと、名刺の本来の目的を最初にきちんと整理する必要がありました。とっても当たり前のことなんだけど、すごくひとりよがりになってしまっていたなあと反省。
じっくり待ってくれたぶんぶんさんには感謝しかありません。
そして、整理した内容をもとに、アイデアラフの段階で再度相談することに。
提案した資料すべてに、めっちゃ丁寧に返信をくれたぶんぶんさん。
隅々まで見てくれてとても嬉しかったです。こうやって丁寧にきちんと向き合ってくれるところ、見習いたい!
再び迷走へ
その後また提案をしたものの…
今度は盛り込みすぎた。
私の悪い癖でもあるんですが、ストーリーを(勝手に)作って、それを全て詰め込もうとしてしまう時があるんですよね。あまり盛り込みすぎると、一つ一つに意味はあっても、説明してもらわないとわからない、本当に伝えたいことが伝わらないという欠点があります。
初回のやりとりから少し時間がかかっていたこともあって、「今度こそ!」と肩に力が入っていたのもあると思います。
ぶんぶんさんのコメントと、その後ZOOMで顔を合わせて話して、やはり最初の「箱名刺」がいいね、という結論になったのでした!
衝撃の事実発覚
さていよいよ形状が決まったので、中身のデザインを提案しつつ、ほっかいしこう社さんにフォーマットをいただくために連絡を取りました。
そこでなんと、「箱名刺」の形状は4型すべて付け合わせだったことが発覚!
驚きましたが、4型どれもかわいくて、一つに絞るのめちゃ難しそうだなーと思っていたので嬉しいサプライズでした!
めちゃくちゃ協力的なほっかいしこう社さん
上記ツイートのイメージのように、片面カラー(それも蛍光)とかができるととてもかわいかったのですが、色々相談して紙の適正や費用面などの兼ね合いから「蛍光カラーがある用紙を使っては?」という結論に。
ほっかいしこう社さんがものすごく協力的で、紙の種類や印刷方法など、サンプル写真も色々用意してとてもじっくり相談に乗ってくれました。
正直、部数も多くない小さな依頼なので、ここまで丁寧に相談に対応してくれるとは思っておらず、そういう意味でも嬉しい驚きでした。
実はこの頃、偶然実際にお会いしてお話できる機会があり、紙見本を見ながらお話させてもらいましたが、折りをつけるための適切な厚みなどもアドバイスいただいたりして、そこでもとても好印象なほっかいしこう社さん。
ますます信頼度が増し、またぜひ何かで一緒にお仕事したい!と本当に思っています。
ついに完成
工場直送写真
ほっかいしこう社さんから、工場直送写真が送られてきたのがこちら。
ほっかいさん、いつも写真がめっちゃ上手なんですよね。Twitterの何気ない風景写真も素敵なのでぜひチェックを!(突然の宣伝)
名刺のアイコンがついている面をこちらに向けて立たせると、生き物っぽくてとてもかわいい!歩いてきそうですね。囲まれたい。(ん?)
平らな状態での底の部分も、4本の足みたいで生き物感があってお気に入りです。
用紙はマーメイドを使ったのですが、表面の質感と適度な厚みが、箱にした時にとても合っていていいなと思います。
公開プレゼンをやってみて
最初から不特定多数の人が見ることのできる場所で公開するというのは(たとえそれが誰にも見られていなかったとしても)良い緊張感を持てるし、後から見返した時に、当時の自分を冷静に俯瞰できて良いなと思いました。
今回名刺を作らせてもらったことで、私自身学びがとても大きかったし、やってよかったなと本当に思います。なによりじっくり向き合ってくれたぶんぶんさんに感謝。
そして最初から最後までとても丁寧に対応してくれたほっかいしこう社さん、Twitterでこんなことを言ってくださいましたが、こちらこそ!という気持ちです。
ぶんぶんさんのブログでも、今回のことを書いてくださっています。また違った視点で見られると思うので、ぜひ読んでみてください。